外国人との遭遇 – The train in the sky –

外国人との遭遇 – The train in the sky –

ある日、わたしが電車で帰宅している途中、
電車の車内で、酔っ払った外国人に話しかけられました。

「Why your hair is short?」

なぜ君の髪の毛は短いんだ、と聞かれたのです。

わたしはイライラしました。

まず一つ目に、なんだその哲学的な質問は。
その答えを知っている人がどこにいるだろうか。

そして二つ目に、なぜその泥酔した理解力の低下している頭では
とうてい理解できないであろう難解な答えをするしかない質問をしたのだ。

そして最後に、わたしは英語を話せない。
この難解な質問に対してあまりにもシンプルな回答をせざるを得ない。

それに加えて、
新しく入ったばかりの会社で一日働いて疲れ切った頭で
この外国人の対応をするには、本当にだるかったのです。

しかも酒くさいし。

理由はない。短く切ったから短いんだ。と言いたかったです。

しかし残念なことに、全く英語が思い浮かびませんでした。

わたしが6年間学んだあの時間はなんだったのでしょうか。
単語も文法も、なんにも思い浮かびませんでした。

言葉が思い浮かばなければ、
言いたいこともよくわからなくなってきます。

しかし、私は悪くありませんでした。

ここは日本で、しかも公共の場だから、日本語でしゃべってもいいのです。

英語を話せない自分が、まるで低能かのような気分を
味わわざるを得ない学生生活18年間でしたが、

今やわたしは、別に日本語で十分疎通できるのに
わざわざあえて英語を使おうとする
なりきりグローバル環境から抜け出したのです。

グローバル人材なんか、なってやるもんか。

しかし、かつてセンターでは8割以上をキープしていた科目だったにもかかわらず、
日常生活のはしっこのような会話にも使えないなんて残念でしかありません。

こざかしい英語によって、わたしの主張したいことは自分で理解できなくなりました。

わたしが言いたかったことはなんなのか。
英語とか日本語とかそういった表面的なものはすべて切り離して、
あと、目の前のくさい外国人のことも忘れて、
わたしはわたしの思いに耳を傾けました。

わたし、どうして髪が短いのだっけ?

いつから髪を短くしたのだっけ?

なぜ?という疑問は恐ろしい言葉です。

どうしてわたしは髪を短くしてしまったのか?と
なにかまちがったことをしてしまったような気分になるからです。

どうしてだ・・なぜわたしは髪が短いんだ・・

髪の毛・・伸びてしまった・・・

神様・・わたしはどうして髪が短いのですか・・神様・・・

そこでハッと気づきました。

楽だから。・・そう、楽だから・・!!

家に帰って、あまりにも疲れ切っている。

早く寝たい。瞬時にして眠りたい。そのためには髪を乾かす時間が惜しい。

髪が長いと、わたしは余計なことを考える。

いっそのこと、坊主でもいい。ボウズ。

しかし、ボウズにするならインドと決めていました。

日本で坊主にするのは違う。
だからショート。
インドに行きたい。

わたしはいそいでスマホに打ち込みました。

「楽 英語」

そして、素早くググったのです。

Google先生は天才です。

すぐに「Easy」と表示されました。

そのとき、わたしは衝撃を受けました。

これ超知ってる単語だよ・・

この状況こそイージーだったよ・・

我に返り、わたしは目の前の外国人に答えました。

「いーじー!イッツイズ、イージー!!!」

そう、楽だから・・!

答えはこんなにも簡単でした。
答えというのは、いつも簡単なことなのです。

言われてみれば、それだけのことなのに、
わたしたちはいつも気づかないのです。

神様の御言葉も同じです。
いつも、人間がぶつかる問題の答えとなる御言葉。

神様はいつも、難しく話しません。
一言でかんたんに話されます。

御言葉も、このようなのです。

イージー。

わたしはもう忘れません。

外国人は、「Oh…easy…」

とだけつぶやき、うつむきました。

わたしはこのとき、何かに打ち勝ったようでした。

何に打ち勝ったのか?

目の前の外国人か。

英会話か。

自分の髪型なのか。

それは誰にもわかりません。

しかし、わたしは勝利したのです。
最後までやり遂げたのです。

続けて外国人は話しかけてきました。

「ドゥー ユー いgfskんkぃあk?」

いや、もう聞き取れないわ。

ギブ。完敗。

このようにして、わたしと外国人は別れを告げたのです。

正確には、わたしが酒臭さに耐えきれなくて、別の車両に逃げたのです。

酒って、あんなくさいんだなとおもいました。

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